idea factory from newspaper 2003 11 2

理性(rational nature)
 どんなに知性が高くても、理性が低ければ意味がない。
株式市場では、9勝1敗でも負けで、1勝9敗でも勝ちとなることがある。
問題は、1敗の中味です。1勝の中味です。
 起業者たちへの融資も、これと同じです。
失敗を恐れて、慎重に行動したつもりが、結局、負けていた。
 株式市場では、学歴の高い人が、よく負ける。
それは、「どんなに知性が高くても、理性が低ければ意味がない」ということです。
日本の教育は、知性を高めるには大いに効果があった。
しかし、日本の教育は、理性を高めるには失敗している。

ドル(dollar)
 何としても、ドル急落を防止しなければならない。
しかし、頭の痛い問題です。
 短期的は、財政赤字などが、ドル安の原因でしょうが、
長期的は、アメリカ企業の国外流出が、その原因かもしれない。
 安いコストにひかれて、
中国やインドなどのアジアへの生産や業務の移転を加速するアメリカ企業が、
増えていくことが、その原因かもしれない。
 長期的には、アメリカ国内に残った企業は、国際競争力がない企業が残ってしまう。
そして、国際競争力がない企業が、ドル安を主張する。
アメリカ企業のグローバル化が、アメリカを弱体化させる原因かもしれない。
巨額の財政赤字が、ドル安の原因ではないかもしれない。
 アメリカの大学の教授が、
福井日銀総裁が、ドルを買い支えているうち、
外債をドルからユーロ債に切り替えておいた方がよいだろうという発言があったらしいが、
その前に、ドル急落を防止しなければならない。
 ドル急落を防止できないと、アメリカが、アルゼンチンのようになる。
そうなれば、1ドル1円も、あり得ない話ではない。
100分の1だと驚いてはいけない。
歴史を振り返れば、通貨が、1000分の1になった例もある。
100分の1なら、まだマシである。
 参照 週刊ゴールデンチャート週足集No.1232 p17
「福井日銀総裁は、今年だけで、すでに、為替介入を通じて、
13兆円ものマネーをアメリカに貸し付けている。
アメリカは、借りた金で、日本の株を買ったり、
日本の自動車やテレビを買っている。
 それで、日本は、それだけ豊かになっただろうか。
円が、いくら高くなっても、アメリカから買うものは、
食糧や飛行機など、限られたものしかない。」
 やはり、問題の本質は、
アメリカ企業の国外流出が、その原因かもしれない。
 しかし、もしかすると、
アメリカの株主民主主義が、行きすぎたのかもしれない。
あるいは、四半期ごとの決算が、行きすぎたのかもしれない。
「株主民主主義」と「四半期ごとの決算」が行きすぎると、
経営者は、短期的な利益しか考えなくなる。